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最終回(全13回):小さな垣根なんていらない

みなさんこんにちは!工藤由一朗です。

このコラムも今回で最終となります。

私は元々フィットネスクラブで働いていたので最後はそれに関連した話で締めたいと思います。

以前お伝えしましたが、私の職場では「フィットネス業界」出身者は数百人の中で私一人です。

誰も「フィットネス業界」の存在を知りません。

そのため私はゼロベースで自己表現をすることになります。

今まで自分がいた範囲外にある人達に対して自己表現をすることは簡単ではありませんでした。

それだけ私は「フィットネス業界」に染まりすぎていたと言えます。

しかしそれは私の問題であって自己表現をするための障壁はほとんどありませんでした。

沖縄県に来て強く感じたことは、外部からの受け入れを積極的にしてくれる土壌があることです。

初対面の挨拶では大抵出身地を言い合います。

そこでは沖縄に何度も来たことがある人もいるし初めての人もいます。

北は北海道、南は九州・沖縄、そしてアジアを中心とした海外まで様々です。

今までの経歴やバックグラウンドも全員が異なります。

もちろん年齢による上下が全くないわけではありませんが、そこにはあまり上下がないフラットな関係性が生まれます。

単純に人として向き合い、小さな共通点を見つけてコミュニケーションが始まります。

そしてある面で強い人が弱い人を助ける。

また異なる面では立場が入れ替わったりします。

それが私にはとても新鮮でした。

誰も威張ったりしないのです。

日本語がうまく話せない外国人の方にはみんなでサポートをしたりします。

本人も早く流暢に話せるよう勉強します。

まさに「ゆいまーるの精神」です。

それは痛みある歴史の中で作られていった、優しさなのかなと私は感じています。

他にも沖縄の居酒屋にはあまり仕切りがないので、知らない人ともよく話す特徴があります。

ライブなどが始まると仕切りは邪魔なだけですからね。

それは異質な人たちが調和されているのであって、同質な人たちが固まっているのとはまるで違います。

私が昨年働いていたフィットネスクラブでは…初めてエアロビクスに参加した方を怒鳴りつけたベテラン参加者がいました。

他にも筋力トレーニング・ランニング・ダンス各種をはじめとして、長く継続している方が幅をきかせて壁を作っている環境が多数ありました。

未経験の方はそこに参加したいとは全く思わなかったことでしょう。

そのほとんどに対してスタッフは(私も含めて)感覚が麻痺してしまい何も対応できていませんでした。

今思うと新規入会者のみなさんには大変申し訳ないことをしていました。

スタッフ間もそれは同様で、各ジャンルに壁があることは間違いないと思います。

経験が浅い人をやたらとプロとして最前線に出すわけにはいきませんが、未経験者や業種の違う人が新たに取り組んでみたい

仕事であるとは言えない環境を作っています。

また、外国人のみなさんの受け入れにもフォローがまるで足りていなかったと思います。

沖縄から東京に帰ってくると「日本人が多いな~」と感じます。

沖縄は外国人旅行客が非常に多いからです。
※第4回コラム参照。

そしてその対応も必要になるため労働している外国人も多くなります。

東京はそのような環境ではないとはいえ、少なからず応募のあった外国人求職者や、新規入会希望者に満足のいく対応ができていたとは言えません。

まず心構えから間違っていたと言えるでしょう。

ほとんどは日本人より困っているケースが多く(言語や文化の問題など)、そんな人たちにできることはもっとあったように思います。

よく日本人のフィットネス参加率が欧米と比較して低いことが挙げられます。

私も在職中は地域住民の参加増に努力をしているつもりでしたが・・・。

基本的な思考が大きく誤っていたと今は思います。

とても排他的な環境の上であれこれと取り組んでいたからです。

これは本当に改めた方が良い風土です。

フィットネスを何年続けていようが偉くも何ともないのですが、勘違いをしてしまう人がとても多い。

むしろ長く続けていたのならば模範となるような人間となるべきです。

やたらと癖ばかり強くなって小さな牙城を作ることに何の意味もありません。

好きなフィットネスだからこそ、そんな垣根はなくなってほしいと強く思います。

自戒も含めてそれを最後に伝えたいと思いました。

差別という言葉が必要ないくらい自然な受け入れをする環境。

自分の周りではそのような環境を作ることができるようこれからも努力したいと思います。

最終回(全13回):小さな垣根なんていらない_b0391852_20004016.jpg

最後になりましたが、このコラムを発信するきっかけを作ってくださった遠藤一佳さん、また、沖縄県のみなさん、いつも支えてくれている家族や友人のみんな、どうもありがとうございます。

そしてこのコラムを最後までお読みいただいた皆様、ありがとうございました。

それではまたどこかでお会いしましょう!!!

by yuichirokudo | 2018-10-23 15:00